早いもので、今の家に引っ越して一年になる。

一年経っても、引っ越した時の荷物が、そのままになっているものも数多くあるし探し物も見つからない。又、探しものの最中に懐かしい新聞や雑誌が出てきたりすると、そちらに夢中になって時間が足りなくなってしまう。
先日も、探し物をしている時、宇治山哲平の図録が気になってつい、見入ってしまった。
もういつの事だか記憶にないが、お金に困ってこの本を売ろうと思った事がある。最後にもう一度見ておこうと開いた1ページに、立派な作品ほど静謐で強い。静けさの底に、沸々なる精神が封じ込まれているからだ。と言う一文を読んだ時、あゝこの本は手元に置いておこうと思った。
5月の事だから、もう終わっているけれど、湯布院駅アートホールで高見乾司神楽画帖展が開催されていた。
5月の湯布院は、陽気と連休で喧騒の中にある。只、本人のブログに依ると、喧騒の中静謐な時間が流れるとあった。
実は、件の図録をくれたのも、宇治山先生のアトリエに、何度か連れて行ってくれたのも、長兄の、高見乾司だったからつい思い出して、又探し物の、時間が足りなくなった。